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9月24日(水)「永遠の お別れ」

「しぼりたて大黒正宗」
先日、懇意に させて頂いていました 近所の
豆腐屋さんの おばちゃんが亡くなりました。
以前から病気がちで かなり容態は よくないと
お聞きしていましたが実際に亡くなられたこと
を聞くと えも言えず つらい思いになりました。
この お店の豆腐は私が店を継ぐ もっと昔から うちの
店の「立ち呑み」の肴として食べて頂いていました。
私は この「おばちゃん」から色々なことを学びました。
人に優しく生きることの大切さを教えて下さいました。
涙もろい「おばちゃん」は私の普段の色々な出来事
を話すたびに嬉しそうに涙を流してくれるのです。
亡くなる直前は私に会うなり、まだ何も話しをして
いないのに涙を流されることが ほとんどでした。
私の酒屋業の成長を少しでも長く見ていきたい
のだと思っていてくれたのかもしれません。
ある時うちの立ち呑みの お客さんが「ここの豆腐は
美味しいな。」と言ってくれたことを お伝えしました。
私は「おばちゃんらの普段の苦労を知っているから
その言葉を聞いた時にホントに嬉しくってね。嬉しく
て涙が出てきそうで少し我慢したわ。」と言った。
「おばちゃん」も嬉しくなって一緒に涙を流した。
「不思議やね。自分て作っているわけでもないのに自分が
褒められた時よりも嬉しくってね。俺は そんな性分なんか
な?うちで扱っている お酒も そうだよ。美味しい!好きや!
って言ってくれたらホント嬉しくってね。決して今 裕福な
生活は していないけど それだけで何か最高に嬉しくてね。
何も いらないぐらい。そんな気持ちになるんよ。」
そんな話を いつも していたと思います。
「おばちゃん」の家族は誰も お酒を飲まれない。
なのに慎ましやかに暮らす「おばちゃん」は いつも
年末に「しぼりたて大黒正宗」を1本 買って下さった。
この お酒を自慢して いつも他の
人に話しをしてくれるのだった。
ご自身は まったく飲めないのに・・・。
昨年のこと2001年から ずっと買って下さって
いた「しぼりたて大黒正宗」の空ビンを大事に
しまってくれていたものを私に渡してくれた。
それこそ大事に捨てずに持っていてくれたのだった・・・。
その時のことは今でも忘れられない。
ホントに言葉では表せないぐらいに お世話になった。
本当に言葉で表せられないぐらいに教えてくれた。
心より ご冥福を お祈りしたい。
どうか安らかに お眠り下さい。
本当に ありがとうございました。
天国でも その温かな笑顔でいて下さい。
本当に ありがとうございました。
原栄治