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9月14日(木)今、悩んだり岐路に立っている飲食店さんに読んで頂きたい勇気の出る お話を見付けましたので転載します。

「イタリア料理シェフ・落合シェフ」


いつも お世話になります。
原酒店の原栄治です。

今日は今、悩んだり岐路に立っている飲食店さんに読んで頂きたい勇気の出る お話を見付けましたので転載します。

イタリア料理の有名シェフ・落合さんの お話です。

以下、本分のまま

■「たった10人」と嘆くか、「10人来てくれた」と感謝するか

うちに修業に来る人たちを見て思うけど、仕事というのは合う、合わないというのはあるよね。努力すればある程度まではいくけど、それ以上はセンスや運も必要だったりする。でも、自分に合うかどうかは、やってみなければわからない。誰にもわからないんだよ。「こいつはダメだな」と俺が思っても、みるみるうちに成長して、今じゃ何店舗も店を広げているって人だっているからね。「おみそれしました」って感じだけど(笑)。だから、「これをやりたい」ということに向かって熱意を持って進むのは大切なことさ。それがないとやっぱり、気合いが出ないじゃない。

この世界でやっていけるかどうかなんて、僕だって最初はわからなかったよ。そもそも「料理人になる」と言い出したのは、高校を辞めるための口実みたいなものだったし。だけど、自分なりに「料理をやるからには極めたい」という思いはあった。最初に見習いで入ったのは、知人に紹介してもらった、どこの街にもある食堂みたいなところだったけどね。もっと勉強したいとレストランでフランス料理というものを知って、その奥深さにのめり込んだ。当時は西洋料理と言えばフランス料理のことで、イタリア料理なんて「その他各国料理」って呼ばれていて、専門店もほとんどなかったから、自分がイタリア料理をやるなんて考えてもみなかった。

初めてイタリア料理を食べたのは28歳のとき。たまたまなんだよ。ずっと本場のフランス料理を見てみたくて、念願かなって1カ月の視察旅行に出かけ、最先端のレストランに感激してね。フレンチへの思いを新たに帰国しようとしていたんだけど、飛行機のチケットの関係でイタリアにも行けることになって、ついでにと4日間ローマに寄ったんだ。で、1日目に街のレストランに入った時は「お客さんに出す料理じゃない」って思ったね。ただ、不思議なことに、飽きないんだよ、毎日食べても。「日常的においしく食べられる料理をお客さまに出すという世界もあるんだ」と衝撃的でね。自分もこういう料理をやろう、イタリア料理を勉強したいと思ったんだ。

そこからは寝ても覚めてもイタリアンだよ。イタリア各地で3年間修業して帰国し、翌年に東京・赤坂にオープンするイタリア料理店「グラナータ」のシェフを任された。35歳の時だったかな。この店が後に繁盛して、イタリアンのシェフとして名を知られるようになったけど、自分ひとりの力で一人前になれたわけじゃない。いろいろな人に応援してもらったよ。中でも大恩人は「グラナータ」のオーナーだった故・桂洋二郎さん。桂さんは飲食店 チェーンを経営していて、傘下の「トップス」で僕が働いている時から目をかけてくれた。フランスへ視察旅行に行けたのも、イタリアでの修業中に生活に困らなかったのも全部桂さんのおかげなんだ。

何事に関しても「本物を追求する」という姿勢が徹底した人でね。僕は彼のことが人間として大好きだった。「グラナータ」をオープンしてお客さんがまったくこない時期も、桂さんは「お前が本場で勉強してきた味を変えちゃダメだ」と励ましてくれたよ。でも、アルデンテのパスタを硬いと怒られるような時代でしょ。100席ほどの店に10人しかお客さんが来ないという日々が数カ月続いて、こっちはすっかり弱気になってね。「やっぱり日本人好みにアレンジした料理を出さないと、お客さんが入らないですよ。昨日なんて10人しか来なかったんですから」とこぼしたら、諭されたんだ。「お客さんが来ないって言うけど、昨日の夜は10人来たんだろう? お前は来てくれたお客さんをちゃんと満足させて帰したのか?」って。

ハッとしたね。それまでの僕は「たった10人しか来ない」とボヤくばかりで、その10人をいかに満足させるかなんて考えたこともなかった。ホールに出てもお客さんと会話をすることさえなかったんだ。そんな姿勢で自分の料理をわかってもらえないと嘆くなんて、甘いよね。反省して、そこからの 行動は早かった。接客経験なんてなかったけど、次の日には笑顔でお客さんにメニューを説明していたよ(笑)。そのうちにイタリア政府関係のあるお 客さんが常連客になってくれたんだ。その方が店の評判を広めてくれて、外国人のお客さんが増えたら、日本人のお客さまの評価もガラリと変わってね。オープンから1年半たったころには予約でいっぱいの店になった。ちょうどイタリア料理ブームも起きて、それはもう忙しかった。

お客さんが「たった10人」と嘆くか、「10人来てくれた」と感謝するかで、店の雰囲気はガラリと変わる。お客さんをもてなすというのはこういう ことだと桂さんの言葉が教えてくれたんだ。いや、本当に、自分が間違っていたなんて全然気づかなかったもん。立派な店舗を用意してもらって、おいしい料理さえ作れば、黙っていてもお客さんは来るって思ってた。来なきゃ来ないで「小さい店にしたいと言ったのに、桂さんがでかい店を作るから ダメなんだ」なんてお門違いなことを考えたりして(笑)。自分なりに一生懸命やってはいたけど、生意気だったよね。それだけに、あの時素直に自分を変えられて、本当に良かったと思うよ。


■20代は車が欲しくて働いてた。何台も欲しいから稼がなきゃって独立して「ラ・ベットラ」をオープンしたのは、もうすぐ50歳という時。桂さんの3回忌を迎えた後だった。お客さんには申し訳ない話なんだけど、 僕は桂さんを喜ばせたり、驚かせたくて仕事をしていたところがあったから、彼が亡くなって「俺の役目は終わった」なんて思ってしまってね。当時は 「グラナータ」が高級レストランに成長して、僕も親会社の重役になり、現場から離れがちだったのもさみしくてさ。気楽な食堂みたいな店をやって、厨房(ちゅうぼう)に立ちたかったんだ。

あとは、口はばったいけど、庶民的な価格の料理を出して、せっかく日本で知られるようになったイタリア料理を根づかせたいという気持ちもあった。でも、難しくは考えてなかったよ。「ラ・ベットラ」は銀座のはずれにあるから、店に行列ができるようになってからは「『隠れ家』効果を狙った立地ですね」と言われたけど、お金がなかっただけだしね(笑)。当時のイタリア料理店では珍しかったプリフィックスコース(メニューを自分で選べる定額のコース料理)を取り入れて「お値打ち」と話題になったけど、戦略があったわけじゃない。お客さんに不便な立地まで来てもらうんだから、満足してもらうにはどうすればいいかを考えただけ。繁盛したのは、結果にすぎないんだよ。

やっぱりお客さんには喜んでもらわないとね。でも、そんなのは当たり前のことだと思う。何のために働くかというと、自分のためなんだよ。「お客さんのため」とよく言うけど、お客さんが喜んでくれたら、それが自分の喜びにもなるでしょ。ということは、結局、自分のために働くわけだよ。簡単なんだよ、本当は。自分のためにやるのさ。「世のため、人のため」もいいけど、それも自分のためじゃないと、少しうまくいかないだけで誰かのせいにしちゃうからね。

僕なんて20代は車が欲しくて働いてたよ。車が好きだから、何台も欲しいと思って。そのためには稼がなきゃいけない。じゃあ、仕事しなきゃって。 身も蓋(ふた)もないけど、本音のところ、そういう意識でいいんじゃないかな。ただし、お客さんや会社に対して、自分がされてイヤなことはしな い。されてうれしいことをする。そこは常識だよね。うちの店に入った人たちに僕が言うのもそれだけだよ。

これから社会に出る人に言いたいのは、我慢も大事ということ。必死でやってみて芽が出ないなら方向転換した方がいいけど、あきらめが早過ぎるのはどうかと思うね。あんまりこんなことを言うのは好きじゃないけど、僕だって修業時代は皿も洗ったし、包丁もうまく握れなかった。洗い場のフライパンに残っているソースをなめて勉強したかったのに、先輩に水を流されて「意地悪だな」と思ったこともあったよ。だけど、誰だっていきなりシェフにはなれないし、社長や横綱にもなれない。ある程度段階というのはあるし、段階を踏むからこそ、トップになったときにみんなの気持ちがわかるんだ。

まあ、あんまり「頑張ります」なんて言わなくていいけど、一生懸命やりなさいということですよね。言い古されたことかもしれないけど、やっぱり真面目に前向きに、ちょっと我慢もして。それは いつの世界でも間違ってないと思うんだ。成功の秘策なんてない。あったとしても、それが通用するのは 一瞬だよ。
(以上、本分のまま)


素晴らしい出会いに感謝をいたします。


心より


原酒店 原栄治


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